UFO入門ガイド 9 / 10
UFOとは?
世界の言葉で呼ばれるUFO:歴史と文化的背景
UFO、OVNI、USO、UAP、IFO。世界で使われてきた言葉をたどると、空の謎をどう見てきたかが見えてきます。
この記事の要点
UFOという言葉は1947年以降に広まり、国や時代によってOVNI、USO、UAPなど別の表現も使われています。
呼び名の違いは文化や制度の違いを反映しますが、個別ケースの正体を直接示すものではありません。
古い怪異や伝承をすべて現代のUFO記録として扱うことはできません。
UFOという言葉が生まれる前
「空の謎の物体」は1947年より遥か前から記録されている。古代の岩絵、中世の記録、江戸時代の瓦版にも、現代人が「UFO目撃談」と解釈するような記述がある。ただし当時の人々はそれを「神」や「怪異」と呼んだ。
「UFO」という言葉が登場するのは1947年以降だ。ケネス・アーノルドの目撃談が「空飛ぶ円盤(flying saucers)」という表現を生み、その後米空軍が内部用語として「Unidentified Flying Object」を採用した。一般に広まったのは1950年代後半だ。
世界各国の呼び方
UFOはアメリカ英語の略語だが、世界では独自の表現が使われている。
フランス語圏:OVNI Objet Volant Non Identifié(オブジェ・ヴォラン・ノン・イダンティフィエ)の略。フランスはUFO研究に積極的で、国立宇宙研究センター(CNES)傘下にGEIPAN(未確認宇宙現象研究グループ)という公的調査機関を持つ。
英語圏の一部:USO Unidentified Submerged Object(未確認潜水物体)の略。水中での不明な音響信号や、潜水艦のソナーが捉えた説明困難な物体を指す。現在のAARO/UAPという枠組みでは、これも同じカテゴリーで扱われる。
日本語 「未確認飛行物体」または「未確認飛翔体」。「飛行」と「飛翔」の違いは、後者が「飛ぶもの全般」を指す点で若干広い。公式な文書では「未確認空中現象」という表現も使われる。
米政府が用語を「UAP」に統一した意味
2022年にAAROが設置され、UAP(Unidentified Anomalous Phenomena)という用語が正式採用された。この言葉の変化には、実は大きな意図がある。
「UFO(Unidentified Flying Object)」は「飛んでいる物体」に限定される。しかし実際の観測事例には、海中から出てきたもの、宇宙空間でセンサーに反応したもの、そもそも固体の物体かどうかも不明なものがある。「Object(物体)」という言葉は実体を前提しすぎるし、「Flying(飛んでいる)」は場所を限定しすぎる。
だから「Anomalous Phenomena(異常な現象)」に変えた。より正確で、より開かれた言葉だ。言葉を変えることで、調査の範囲と姿勢も変わった。
IFOという言葉の意味
UFOの対になる言葉としてIFO(Identified Flying Object)がある。正体が判明した飛行物体のことだ。
調査の結果「それは気象気球だった」と特定されたものはIFOになる。「それはドローンだった」もIFOだ。UFOという分類はあくまで調査の出発点であって、調査が進めばIFOに変わる。Blue Bookで12,618件中11,917件(約94%)がIFOに分類されたのはそのためだ。
「UFOのまま残る」ことは必ずしも謎や異常の証拠ではなく、記録が不十分で調査が完結していないことを意味することが多い。
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